教育のことを考えて眠れぬ夜のために

授業、学習について考えていくブログです。

ジグソーで「金融商品を評価する」をしてみた

「チョーク&トーク」からの脱却。

 

中3公民の授業。

「①預金」「②株式」「③債券」「④投資信託」の金融商品について、

「リスク」と「リターン」をジグソーで調べ、共有。

さらに、500万円を次のA・Bのケースでどう運用するか、のプロジェクトを用意した。

A)3年後に家を買う予定で、ある程度まとまった額のお金が必要だ。

B)当分使う予定がないので、老後(30年後)の生活資金として活用したい。

 

この授業の前に、

「株式学習ゲーム(日本証券業協会/東京証券取引所)」を実施した。

 

dohonshitsu.hatenablog.com

 

全くの予備知識なく(と言っても「株式」というワードや、現存する企業名については知っているので)、とりあえずゲームを実施。ゲームでわちゃわちゃ楽しんでから、「そもそも株式ってさーー」とインプット活動をした。

 

というのをふまえての上記の「金融商品の評価」の実践。

「株式学習ゲーム」がよいscaffoldingになっていたようだ。

 

新学習指導要領になっても、「知識・技術」が不要になったわけではない。

そこを土台として、「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を身につけなければいけない。

ので、知識のインプット活動をどーしよーか、悩むが、

結構、ジグソーを多投している。

coref.u-tokyo.ac.jp

上記、4つの金融商品について、何者なのか?それぞれの「リスク」と「リターン」はどうか?について調べ、エキスパート活動を通じて深め、違う金融商品を調べた生徒と共有する。そして、最終プロジェクトにアタックする。

 

学んだことをアウトプットする機会としての最終プロジェクトは必要で、その点、よい設定だと思ったが、最終プロジェクトは「オーセンティック」であればあるほどいい。発表などの機会も、「いつもの教員」「いつもの友達」ではなく、例えば「企業へ向けて」「議会に提出」などのリアルさがあった方がいい。それが難しくても、例えば「保護者会で発表」とか「他校の中1に向けて(自分たちより低学年)」とかの発表の場があるといいかも。


ちなみに、「他校の中1に向けて(自分たちより低学年)」という発表の機会を設定する、というアイディアを聞いたときには、目から鱗だった。他校の中1でもわかるよう、意味を噛み砕く必要が生じるため、調べ学習あるあるの「コピペ」を完全に封じることができる。理解も一層深まる。

オーセンティックな教材、学習環境の整備が、生徒の深い学びを助長させる。